弊社でご提供する計算機のシステムディスクのパーティションは、/boot領域に100MB、swapに2GB、/(ルート)領域に残り全て、という分け方にしています。ハードディスクの容量が大きくなっているので、/usr、/tmpなどで分ける必要は無いと考えています。それよりも/usrなどでパーティションを分けてしまい、アプリケーションのインストール時にディスクスペースが足りなくなってしまうことを避けることを優先しています。
一昔前までは、swapはメインメモリの倍のサイズを指定することが推奨されていました。これはメインメモリのサイズが小さかった過去には有効な設定でした。ところが、数値計算を行う上で、メモリ不足が発生しswapまで割り当てて計算を行うと計算機性能は著しく低下します。そのため一般的な使い方ではswapは使わず、メインメモリの範囲内で計算処理を行うようにするか、メモリ容量増やしてswap outを防止します。さらに、64bit環境が標準的となった現在では大容量メモリの搭載が当りまえとなっています。32GBのメインメモリを搭載しているとすると、2倍の64GBものswapスペースをハードディスクから割り当てることになります。これは、ハードディスク資源の無駄遣いとなってしまっています。そのため弊社ではswapを2GBにしています。
回転部品を使用するハードディスクは故障から完全に逃れることはできません。ファイルサーバはRAIDなどで冗長化されていますが、システムディスクの対障害性の向上も重要です。システムディスクが故障するとOSの再セットアップが必要になり、もとの状態にまでに復旧を行うのは労力がかかります。ところがシステムディスク上には大切な情報が沢山入っています。例えばアプリケーションのライセンスファイルなどが失われると、ライセンスの再発行には手間や時間が掛かります。そこで弊社では製品に搭載するシステムディスクを冗長化しています。
ファイルサーバ系の製品ではシステムディスクにはRAID1を採用し、ハードディスク障害が発生しても運用を継続することができます。修理でもディスクをホットスワップで交換するだけでシステムを停止させることなくRAID1の再構築まで行うことができます。
HPCサーバやワークステーション系の製品ではシステムディスクは全て二重化構成 (システムディスク + バックアップディスク) を採用しています。バックアップディスクの作成は工場出荷前と設置作業時に行っております。
このデフォルトのバックアップ作業以後に、お客様が任意のタイミングでバックアップをご希望される場合に備えてシステムディスクのバックアップツールがインストールされており、お客様が簡単に使用できるようになっています。このツールは実行スクリプトになっており、ご使用方法は製品添付ドキュメントに記載しています。
システムには2種類のバックアップツールをインストールしてあります。1つは、バックアップディスクにフルバックアップを行うツールで、主にハードディスク故障による交換後の新しいハードディスクに対して行うためのものです。2つめはバックアップ済みのバックアップデータに差分バックアップを行うツールです。あるいは、これらのツールを使用しないでcronなどを使用し定期的にバックアップを行うことも可能です。ただし、バックアッププロセスはシステムに負荷をかけるため、システムディスクの定期バックアップは必要ありません。また、重要なファイルを間違って消去し、かつそれに気が付かないまま自動バックアップを継続していると、データが失われる場合もあります。システムディスクのバックアップはアプリケーションをインストールした場合などシステムの更新時に行って頂くことを推奨します。