歴代のXeon DPのスループット性能をグラフ化すると、今後のXeon DPが達成しなければならない性能領域が明瞭に浮かび上がります。半導体の微細化によってマルチコア化が進みCPU性能は向上の一途をたどっています。それに対してメモリ帯域幅はアプリケーションによって2極化が進んでいます。「メモリ性能律速型アプリケーション」は既に厳しいメモリボトルネックが発生しており、コア数増加の恩恵を受けていません。コア数の増加は無意味と言っても過言ではありません。それに対して「CPU性能律速型アプリケーション」は、コア数の増加が性能に適切に反映されています。
このような要求に対して既存技術の延長線上でもメモリ帯域幅の向上が可能になっています。最新のメモリモジュールは低電圧化が進み、メモリクロック周波数を高くすることが出来るようになっています。また、プロセッサの製造技術も向上しメモリチャンネル数の増強にも可能性が出てきています。もしこの双方が実現するとメモリ性能の大幅な向上が期待されます。
また別に期待したいこととして、マルチコア化の推進とクロック速度の上昇があります。またもし可能なら単体コア性能の性能向上にも期待したいものです。プロセッサの側は所与の消費電力の範囲内での性能向上を、製造プロセスの微細化によるマルチコア化で実現してゆくというトレンドが今後も継続すると考えられます。

Xeon DPとXeon MPとの違いはメモリバンド幅とQPIのチャンネル数です。この違いによてアプリケーションとの適性がわかります。すなわち、「CPU性能律速型」で「並列通信負荷が小さい」アプリケーションはXeon DPおよびXeon DPクラスタが適しています。また、「メモリ性能律速型」かつ「並列通信負荷が大きい」アプリケーションはXeon MPおよびXeon MPクラスタが適しています。
| 比較項目 | Xeon DP | Xeon MP | |
| メモリバンド幅 | 現在 | 32 GB/s (1333MHz x3ch) | 43 GB/s (1333MHz x4ch) |
| 将来 | 38 GB/s (1600MHz x3ch) | 51 GB/s (1600MHz x4ch) | |
| CPU間通信用のQPI数 | 現在 | 1 基 | 3 基 |
| 将来 | 1 基 | 3 基 | |
SPECベンチマークは17種類の主要な科学技術計算系アプリケーションによるベンチマークテストです。その中でも「SPEC fp-rates」と呼ばれるテストは、計算機に投入できる最大数のジョブを同時に投入し、処理が完了するまでの時間を計測することで、最大スループット性能を求めるテストです。SPECベンチマークの公式サイトでは計算機ごとのアプリケーション別の処理時間が詳細に公表されています。このデータは計算機の評価に非常に有用です。
※ 上記グラフはSPEC CFP2006に公開されている資料を参照して作成しています。
SPEC CFP2006で利用されている浮動小数点演算アプリケーションの一覧。
(公開されているSPEC CFP2006より転記しています。)
bwaves (Fortran) : Computational Fluid Dynamics
gamess (Fortran) : Quantum chemical computations
milc (C) : Physics/Quantum Chromodynamics
zeusmp (Fortran) : Physics/Magnetohydrodynamics
gromacs (Fortran and C) : Chemistry/Molecular Dynamics
cactusADM (Fortran and C) : Physics/General Relativity
leslie3d (Fortran) : Computational Fluid Dynamics
namd (C++) : Classical Molecular Dynamics Simulation
dealII (C++) : Adaptive Finite Element Method
soplex (C++) : Simplex Linear Program (LP) Solver
povray (C++) : Computer Visualization
calculix (Fortran and C) : Structural Mechanics
GemsFDTD (Fortran) : Computational Electromagnetics
tonto (Fortran) : Quantum Crystallography
lbm (C) : Computational Fluid Dynmaics
wrf (Fortran and C) : Weather Forecasting
sphinx3 (C) : Speech Recognition
本サイト記載の会社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
【SPEC CPU2006の公開データを資料として引用】
SPEC, SPECint and SPECfp are resistered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. For more information on this SPEC benchmarks see www.spe.org. SPEC and the benchmark name SPEC CPU2006 are registered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. Competitive benchmark results stated above reflect results published on www.spec.org as of March, 2010. The comparison presented above is based on the best performing 2-cpu servers currently shipping by Fujitsu Limited and Dell Inc. For the latest SPEC CPU2006 benchmark results, visit http://www.spec.org/cpu2006/