SPEC CFP2006のベンチマーク結果を少し加工してグラフ化するとCPU性能の推移が手に取るようにわかります。比較軸としては次のような点が考えられます。
・ シングルジョブ処理とマルチジョブ処理
・ "CPU律速"アプリケーションと"メモリ律速"アプリケーション
・ 赤い太線はCPUクロック速度の上昇率を表します
・ 青い太線はメモリクロック速度の上昇率を表します
・ 太い点線で仕切られた左側は旧世代Xeonデータです (クロック速度でプロットしていません)
・ 投入できる最大ジョブ数を同時投入してのスループットを評価しています
赤い細線で表したアプリケーションは "CPU律速" の性格を持つものです。この種類のアプリケーションはメモリ転送性能がボトルネックになりません。そのため2世代前のXeonや1世代前Xeonでも十分に高速です。もちろん最新Xeonでも良い性能が出ています。しかし、最新Xeonは消費電力を抑えるため、クロック速度を低めに設定し、コア内部のスパースカラー性能を25%程向上させることでの性能獲得を狙っています。そのため、新アーキテクチャになっても劇的な性能向上は実現していません。
今後のXeonの性能向上のシナリオは、直近では1個のCPUに搭載するコア数の増加により実現させた後、マイクロアーキテクチャを更新を経て性能向上のジャンプを果たすものとみられます。
青い線で表したアプリケーションは "メモリ律速" の性格を持ちます。8コアを用いた平行処理では既にメモリ帯域を使い切っており、CPUクロック速度の上昇には無反応です。より高速なメモリシステムの搭載が待たれます。

Xeon (Nehalem)でのMBW (メモリバンド幅) 25.6GB/sはメモリクロック速度1066MHzで得られます。
Xeon (Nehalem)でのMBW (メモリバンド幅) 32.0GB/sはメモリクロック速度1333MHzで得られます。
参考に搭載している8コアの中から1コアのみを利用した場合のグラフも掲載しておきます。 "CPU律速"のアプリケーションは8コア使用時のグラフの違いがありません。しかし、"メモリ律速" のアプリケーションはメモリ律速の度合いが弱いものから強いものまで混在しています。
HPCで計算機を利用する場合には、1コアのみを用いた性能の高さを求めるケースは少ないです。しかし、シリアル動作のソフトウェアライセンスの制約を受けている場合や、並列処理に向かないソフトウェアを利用する場合には1コア動作の性能が大切です。
Xeon (Nehalem)でのMBW (メモリバンド幅) 25.6GB/sはメモリクロック速度1066MHzで得られます。
Xeon (Nehalem)でのMBW (メモリバンド幅) 32.0GB/sはメモリクロック速度1333MHzで得られます。
【SPEC CPU2006の公開データを資料として引用】
SPEC, SPECint and SPECfp are resistered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. For more information on this SPEC benchmarks see www.spe.org. SPEC and the benchmark name SPEC CPU2006 are registered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. Competitive benchmark results stated above reflect results published on www.spec.org as of April 03, 2009. The comparison presented above is based on the best performing 2-cpu and 1-cpu servers currently shipping by Intel and Dell Inc. For the latest SPEC CPU2006 benchmark results, visit http://www.spec.org/cpu2006/