HPC-ProServer DPr690
Dual/Quad-Core Xeon 4/8CPUコア搭載
FSB1333MHz、667MHz FB-DIMM採用
最大64GBメモリ搭載可能
最大3基の大容量ハードディスク追加可能 (スクラッチ用)
安心のOSリカバリDVD標準添付
InfiniBandにも対応し大規模並列機としても利用可能
静粛かつ省スペースで設置場所を選ばない
3年間の当日オンサイト「W保守サービス」付き
デルのワークステーションを基礎コンポートネントとして採用したHPC-ProServer DPr690は、大容量32GBメモリと、その駆動用に1000Wの電源を搭載し負荷をかけても驚くほど静かでした。写真は32GBメモリ、1000W電源、Xeon 3GHz 2CPUを搭載した実機です。
このマシンを動作させてもアイドル状態であれば昼間の事務所ではその動作音は殆ど聞き取れないほど静かです。動作音を聞き取るためには、エアコンを含む全ての音源を止めたうえで、さらに近寄らなければ聞き取れませんでした。
HPCは連続最大負荷で長時間運用します。HPC-ProServer DPr690の初期動作確認テストではLinpack HPLで32GBメモリを全て使う計算を連続動作させる高負荷テストを行います。負荷を与え始めてしばらくすると大口径のCPUファンが回転数を上げ始めました。ところがファンの口径が大きく、かつ羽根が広いため、比較的低い回転速度でも十分な流量と風圧が得られるらしく、低周波の音しか聞こえません。そのうえ音は決して不快な音ではありませんでした。なにより、風きり音そのものが小さく、近寄らないと聞き取れない程に音が抑えられているのには驚きました。本当に32GBメモリ搭載機の負荷試験中かと疑い、なんどもコンソールで動作しているのかの確認をとりました。マシンの音よりもエアコンの動作音の方がよほど大きかったです。
これまでのHPCワークステーションでは、入手できる標準の大容量電源は850Wが上限といわれており、850Wを超える電源はサーバ用の冗長化電源しか選択肢がないとされていました。しかも高品質な600W〜850W級の電源は信頼性が高い反面、音が大きいという問題をかかえているといわれていました。すなわち安定稼動を目指して高品質な大容量電源を採用すると、こんどはファン騒音に悩むこととなり、これがシステムの静音化への大きなハードルとされています。これから本格化する大容量メモリを搭載したワークステーションでは1000W級の電源が必要とされるため、騒音対策はさらに難しくなります。
電源の騒音対策が成功したとしても、CPUの冷却ファンと排気ファンの騒音を一定以下にすることは容易ではありません。さらに、HPC用途では大容量メモリも搭載するので、その冷却も必要です。HPCワークステーションの静音化は容易ではないのです。
32GBメモリを搭載し1000W電源を載せ実効性能が30GFlopsを超えた状態で連続動作していてもHPC-ProServer DPr690は驚くほど静かに計算を続けます。その静かさの理由を確認するため内部を調べてみます。どのような工夫がされているのか興味があります。
筐体を開けた写真を掲載します。筐体前面に2つの大口径ファンがあります。上のファンはカード類を冷やすファンのため低回転のもののようで音は小さそうです。その下のファンはCPU、チップセット、メモリなどを冷やす14センチ径の大口径ファンで小型の換気扇のような広い羽根がついており、低い回転数で騒音を抑えながら、冷気流量を稼ぐことを狙ってのセッティングされています。このファンから吸い込まれた冷気は、その右の黒いダクトを通り、効率よく発熱デバイスの熱を奪い去り、筐体背面から排気されています。さらに排気口側にも排気ファンがついており筐体内部に廃熱が還流しないように工夫されています。
小型換気扇のような大口径ファンを近くで撮りました。主要熱源を冷やす主役がこの低騒音、大流量の14センチ径12V 1.8Aのファンです。低い回転数でも十分な空気を流せるので音も低く静かです。この風を受けるのが大きな前面投影面積を持つ大型CPUラジエタです。CPUの熱はヒートパイプによりフィン全体に拡散されます。ファンとヒートシンクのマッチングが十分に考慮され、相反する要求を高いレベルで満たすことに成功しています。
他の静音の工夫では、筐体の外板が内側から別の鉄板で裏張りされており、剛性だけでなく音の遮蔽と制振にも役目を果たしていました。
32GBのメモリを搭載するモデルでは1000Wの大容量電源を搭載します。電源のファンは吸気側にあるため音が外に漏れにくくなっています。そして静かなファンでも十分な冷却効率が得られるように開口部が大きくデザインされ、内部の部品の配置も空気の流れを妨げないようにレイアウトされています。これらの工夫により大容量と低騒音の両立に成功した優れた電源が採用されていました。
冷却用ダクトのクローズアップ写真です。左が吸気ファンでそこからダクトが左に伸び、その後ろにファンが取り付けられているのが見えます。ダクトを採用することで、冷たい外気をそのままCPUヒートシンクとメモリに導き、熱せられた空気が内部に留まることなく排気される効果が得られます。
空気ダクトを外すと、左の吸気ファンからCPUヒートシンクを経て2枚のメモリライザーカードを通過して排気され、その廃熱を右の排気ファンが外に引き出すエアフローが良く分かります。さら3個のファン全てが軟質ゴムでフローティングマウントされており、筐体への回転振動の伝達を抑えていました。
メモリライザーカード部をクローズアップしました。4枚のメモリライザーカードが堅牢な大型のフレームに固定され、そのフレームがマザーボードにガッシリと固定されており非常に堅牢な作りをしており、接触不良などの不安を一掃しています。この4枚のカードにはメモリスロットが各4スロットずつあり、計16スロットが実装されています。4GBモジュールを使うと64GBのメモリ実装可能です。
メモリがFB-DIMMになり、大容量になり、周波数も高くなると発熱量は大きくなり冷却にも工夫がいります。そこでメモリは空冷ダクト内に風が通るように並べられており、効率よく冷やされています。
HPC-ProServer DPr690の筐体内部を調べると、標準的な技術を組み合わせ工夫をこらして真面目に静音化に取り組み高い成果を上げていることが確認できました。32GBメモリを搭載し、30GFlops越えながら。なおかつ静音性能に優れたHPCワークステーションとしての内実がありました。と同時に、大量生産するからこそコスト的にここまでのことが出来る。部品供給会社も特別仕様に応じてくれる。ということが実感できました。大量生産できないベンダーには到底追従できない内容がありました。弊社が選択した、業界最大ベンダーの量産マシンを採用し、そこに弊社ならではの高度なHPC ProTuningを施し、高い実用性を誇るHPCサーバを構築するという手法こそ、お客様に最大のメリットをもたらすのだということがさらに強い確信となりました。
写真は設定作業中のHPC-ProServer DPr690、その右側がDPr490です。
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