HPC-ProServer DPr390 (EOL-07/12/12)
Dual-Core、Quad-Coreプロセッサ搭載の1ソケット機
マルチコア環境のエントリーマシンに最適
最大3基の大容量ハードディスク追加可能 (スクラッチ用)
最新のインテルの開発環境を搭載可能
LSFを標準搭載し共同利用環境とて運用可能
低消費電力、静粛、省ペースで設置場所を選びません
安心のOSリカバリDVD標準添付
3年間の当日オンサイト「W保守サービス」で迅速・確実に復旧
HPC-ProServer DPr390 (以下DPr390と略) は2CPUコアのCore 2 Duoプロセッサ、Core 2 Extremeプロセッサ、4CPUコアのCore 2 Quadプロセッサを1CPU搭載し、2CPUコアか4CPUコアのシステムを構成できる計算機です。搭載可能なメモリ容量は、4ソケットのメモリスロットにより、2GBのDDR2メモリを用いて最大8GBの構成が可能です。搭載可能ディスク容量は、4基のディスクベイを持っているため、750GBドライブを用いることで最大3TBの搭載が可能です。筐体はコンパクトで静粛性に優れたミニタワー型の筐体です。DPr390は従来の2〜4CPUのHPCサーバの後継に適したハイパフォーマンス・ワークステーションです。
DPr390に搭載のCore 2 CPUには「インテル Core マイクロアーキテクチャ」という新しいCPUコアが搭載されています。このCPUコアの特徴は4命令同時実行が可能なことです。そのため2.66GHz駆動の場合の理論演算性能は10.64GFLOPSに達します。さらにその実効性も高く、Linpack HPLというベンチマークテストで測定すると7.6GFLOPSという性能を叩き出しており、これは理論性能の71%にも達する優れた値です。
DPr390はこのCPUコアを4コア実装するCore 2 Quadプロセッサを搭載することで、4CPUコアをメモリ共有で利用できる計算機を構成します。そのため、MPIによる並列計算のみならずOpenMPによる並列計算もサポートします。そこでOpenMPでの並列演算性能を確認してみました。測定にはLinpack HPLを用いました。すると、2.66GHz駆動での4並列演算で28GFLOPSの実行演算性能を確認できました。4並列での理論演算性能は42.56GFLOPSですから、その65%にも達しています。
DPr390の魅力は、そのコンパクトな筐体に8GBのメモリと4CPUコアを搭載した構成が50万円からと、導入して頂きやすい価格にあります。HPCテクノロジーズの計算機はLSFを標準搭載していますから、そのままで複数の利用者が計算センターのように共同利用していただけることです。しかも手元の計算機ですから、計算センターのように利用制限や、システム停止などを気にすることなく、どんなに長期間の計算でも投入しておくことが可能です。
DPr390はGaussianやGAMESSなどのアウトコアソルバーで必須となる高速・大容量のスクラッチディスクが搭載可能です。3.5インチのディスクベイが2基空いており、750GBのSATAドライブ搭載することで最大2.25TBのRAID0ボリュームが実現できます。利用可能なディスクは250GB/ 500GB/ 750GBから選択できます。もちろんこのディスクをRAID1 + スペアディスク構成のような冗長性に富んだ設定にすることもでき、ファイルサーバ的な利用も可能です。
DPr390はオプションでSAS5iRという簡易RAIDコントローラを搭載でき、ハードウェアRAID1かRAID0を構築することができます。ハードウェアRAIDはCPUへの負担が少ないため、CPUとRAIDの双方に負担を掛けるような利用形態でも安定した性能が期待できます。なお、RAID0のI/O性能はHPCテクノロジーズのベンチマークテストで素晴らしい速度が確認されています。
DPr390はディスクトップでの使用を前提としたワークステーションであり、低騒音設計が施されています。
システムを選定するに当たって、Dual-CoreかQuad-Coreかの選択は難しい問題です。基本的に性能向上はマルチコア化による並列性能で達成されるようになっています。それに対応する計算機やコンパイラなどの開発も発展しています。そして現在の中心的な課題はアプリケーションの最適化にまで至っています。この状況を考慮すると、システム選択ではQuad-Core機の選択が基本となります。
基本的にQuad-CoreはDual-Coreとして利用できますが、Dual-Coreは決してQuad-Coreとしては利用できません。そのためQuad-Core Xeonを選択しておいても損となることは少ないです。性能向上はマルチコアでの並列化で達成されてゆくわけですから、先の傾向を掴んでおく意味からもQuad-Core Xeonの選択が素直な判断となります。しかも、下表を参考にして頂くとわかり易いのですが、その価格差はシステムレベルでは小さいものです。
ただ実際には、コア数を減らしてCPUクロック速度を優先する場合もあります。それは並列化されていないアプリケーションや、並列効率が低いアプリケーションでの絶対的な計算速度を特に重視する場合か、もうひとつの場合は、ライセンス費がCPUコア単位でカウントされしかもそれが高価なアプリケーションの場合です。このような場合にはクロック速度が高速なDual-Coreが適していることになります。しかしこれはレアケースです。
この比較を多少でも判りやすくするために、価格を機能や性能から比較できる簡単な比較表を作成しました。参考にご利用をお願いします。ポイントはDual-CoreとQuad-Coreの価格差が小さいという点です。
| 比較項目 | Core 2 Duo 2.66GHz | Core 2 Extreme 2.93GHz | Core 2 Quad 2.66GHz |
| 各構成で8GBメモリ搭載の価格 | 467,000 | 577,000 | 577,000 |
| 2CPU利用時のコア単価 | 233,500 | 288,500 | 288,500 |
| 4CPU利用時のコア単価 | - | - | 144,250 |
| 並列計算 | 2並列 | 2並列 | 4並列 |
| 同時実行ジョブ数 | 2ジョブ | 2ジョブ | 4ジョブ |
| 総合理論性能 (GFLOPS) | 21 | 23 | 42 |
| 実効並列演算性能 (Linpack HPL, GFLOPS) |
14 (2並列、N: 9000) | - | 28 (4並列、N: 22000) |
(価格は税抜きのアカデミック)
マルチコアによる性能向上が基本ですが、利用CPUコア数に応じてライセンス費がカウントされる商用アプリケーションでは、ライセンス費が嵩む心配があります。ところが一部のアプリケーションでは、CPUコア単位でライセンスをカウントせず、CPUソケット単位でのカウントに切り替えた製品なども出てきています。この流れが定着するとマルチコアの恩恵は大きくなります。
マルチコア機のメリットとしてノード数が集約できる点があります。4並列のクラスタを構成するためには、これまでは2〜4台の計算機が必要でした。ところがCore 2 Quad 4CPUコア機で4並列のクラスタを構成するには1台の計算機で実現します。もしノードの故障率が同じなら、ノード数の少ない方がシステム全体の故障率は低減します。特に並列計算では1ノードが故障しただけでも計算全部が停止してしまいますから、搭載コア数の多い計算機を用いてノードを集約することは可用性の面でも非常に有意義です。
HPC計算機をご利用されるお客様の多くが、増加するマシンにより電源や空調の不足に困られています。そこでマルチコア計算機により既存の計算機をリプレースは非常に有効な策です。マルチコア機は消費電力性能比が高いため、空調への負荷も小さく、省スペースです。そのため、既存の多ノードのクラスタの置き換え用としての採用が盛んです。
標準のLinux OSはHPC計算機やクラスタ用としてはセットアップはできません。なぜなら、セキュリティ関連の設定などが厳しい反面、HPC用途に必須のパッケージなどは含まれていません。さらに、並列計算を行うための各種機能や設定なども無効化されています。Lnux OSをHPC用にセットアップするには、HPCで必要なパッケージの追加と設定を行い、不必要なデーモンやサービスは停止し、必要なデーモンやサービスは起動するように設定します。HPCクラスタでは例えばデフォルト設定のネットワークでは最良ではありません。動きますが性能が引き出されていないのです。HPCテクノロジーズのOS設定ではこれらのチューニングを随所に行う配慮をしています。
マルチコア計算機ではハイレベルな負荷分散機能を持つLSFの導入は不可避となっています。LSFは一般的なジョブスケジューラと異なり、計算機の空き状況のみならず、負荷のレベルまで把握しており、クラスタ全体の負荷レベルが均等になるような"負荷分散"にまで配慮したジョブスケジューリングが行われます。この機能が搭載されていないと、負荷が偏ったジョブスケジューリングとなってしまい。ボトルネックの温床を意図せず作ることになります。
弊社ではHPC計算機に最新のコンパイラや数値演算ライブリを最適にインストールして出荷しておりご好評です。HPCテクノロジーズは多くのアプリケーションのコンパイル経験を持ち、実際に現場で利用していただき性能が出ていることを確認していただいている構成のため安心です。
マルチコア環境では従来一般に利用されていたMPICHでは性能が出ない場合があります。そこで、高速なMPI計算を実現するマルチコア対応のIntel-MPIライブラリをコンパイラと併せて設定済みで納入できます。もちろんMPICHの利用を継続していただけるように片方を利用時に選択できる構成での提供も可能です。
計算機に詳しい方が空席となっている研究室様では、量子化学計算、MD計算、流体計算、構造計算など各種アプリの最適化インストールや最適化コンパイルは手間と負担が大きく、大きな課題となっています。そこでDPr390ではサービスの一環としてこれらの専門的な作業をオプションでサービスしています。
DPr390は高品質なデルの計算機を基本コンポーネントに採用して製造されるHPC計算機です。この計算機は、デルの開発センターにて徹底的なテストを経て開発されています。さらにその生産は、周辺に部品工場を従えた大規模な生産拠点で一貫生産されています。高度技術が速いサイクルで投入される計算機産業では、インテルを含む大手部品メーカーと共同で開発と生産を実現できる大手ベンダーでなければ高品質かつ最先端のワークステーションを製造することは極めて困難です。そこでHPCテクノロジーズは、デル製の高品質ワークステーションに高度なHPCシステムインテグレーションを施し、お客様満足度の高いHPC製品の生産に集中的に取り組んでいます。
従来のDPr390はシステムディスクを2重化することで、万一のシステムディスクの障害に備えてきていました。しかし、最新のDPr390にはOSリカバリDVDを標準添付しています。このDVDは製品出荷時のOSのイメージを焼き付けたものですから、万一システムディスクが障害を起こしても、出荷時の状態に復帰させることができます。さらに、簡単なコマンド操作で、お客様が任意の時点のシステムディスクのイメージをDVDに焼き付けることも可能です。
デルサポートによるオンサイト修理作業はハードウェアの復旧が主であり、障害発生直後の障害の切り分け作業や、修理完了後のシステムレベルの復旧作業などには対応してくれません。そこで、サポートの一次受けをHPCテクノロジーズが対応することでお客様が不慣れな障害復旧時の対応から開放されます。HPC特有の問題に対応するHPC専門のサポートチームにより、お客様に満足していただけるサポートサービスが実現されます。
従来のHPC用のワークステーションは1年間のセンドバック保守が主流でした。HPCテクノロジーズでは3年間の当日オンサイト保守とHPCテクノロジーズによる障害一次受け付けにより長期間安定して製品をご利用していただくことができるようにしています。
お客様の計算機の利用状況によっては4年間や5年間の長期間の保守が必須となる場合があります。そこで、DPr390では最長で5年間のサポート期間の延長を可能としています。
世界最高水準のロジステック網を持つデルは、保守部品の品質管理と在庫管理を徹底して実施しています。必要な場合にはオンサイトで部品のフル交換も可能な修理サービスの存在は、高い負荷で長期間運用されるHPCマシンにとっては心強い限りです。