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Hexa Core / Quad Core Opteron対応の2socet 2U HPCサーバ
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SPEC CPU2006による計算機の評価

 SPEC (Standard Performance Evaluation Corporation) は計算機の公平な性能評価を目指して設立された非営利法人です。この団体が実施する「SPEC CPU2006」ベンチマークテストは、計算機の整数演算と浮動小数点演算について、シングルジョブ性能テストとスループット性能テストを実施しており、その報告内容はHPC計算にとっては稀有のデータを提供しています。中でも「SPECint rate base2006」と「SPECfp rate base2006」と呼ばれるテストで提供される計算機別かつアプリケーション別の経過時間報告は特に重要です。計算機の真の性能を見事に浮き彫りにしています。

「SPECint rate base2006」

 「SPECint rate base2006」は12種類の整数演算アプリケーションを用いた計算機のスループット性能評価です。テストの具体的方法は、12種類の各アプリケーションについて個々に、計算機が同時実行できる最多ジョブ数 (多くの場合コア数と同数) を同時投入し、全てのジョブが完了するまでの経過時間を計測し、アプリケーション別の計算機スループットを求めています。

(参考・12種類のアプリケーション) perl処理、zip処理、gccコンパイル、mcf車両スケジューリング、gobmk碁、hmmer遺伝子解析、sjengチェス、libquantum物理シミュレーション、h264ref動画圧縮、 omnetppイベントシミュレーション、astar経路探索、 xalancbmk XML処理

「SPECfp rate base2006」

 「SPECfp rate base2006」は17種類の浮動小数点演算アプリケーションについてのスループット性能評価です。テスト方法などは「SPECint rate base2006」同じです。

テスト結果の利用

 テストで得られた各アプリケーションの経過時間が計算機のスループット性能を表します。さらに得られた経過時間を、計算機アーキテクチャの差、CPUクロック速度の差、メモリクロック速度の違いがある計算機同士で比較することでボトルネックの所在や性能向上に効果的なポイントを探り出すことが可能です。

Hexa-Core Opteron (TM) Istanbul 性能を評価

Hexa-Core Opteron 2CPU 12コアでの整数演算性能評価
遺伝子解析ソフト"HMMER"が圧倒的性能を発揮

 

 新しく登場したHexa-Core AMD Opteron(TM) Istanbul プロセッサの整数演算性能調査を行うため、「SPEC int rate base2006」で公開されているベンチマークテスト結果から、代表的なCPU別、整数演算アプリケーション別の経過時間 (スループット性能) を引用してグラフを作成しました。Hexa-Core AMD Opteronは黄緑色の文字と背景色で区別しています。

 12コアの整数演算でのスループット性能では "libquantum"というアプリケーションを除いて20%〜30%の性能向上が認められます。これはCPU内が6コアまで増加しても効率良く動作することを示しています。2.6GHz Hexa-Core Opteronは4コアの3.1GHz並みの価格ですから経済的で、消費電力や設置スペース的にもメリットがあります。

 Hexa-Core Opteronが突出した性能を示しているのは遺伝子解析用の "HMMER" と呼ばれるアプリケーションです。一般に "HMMER" や "BLAST" のような遺伝子解析系のアプリケーションはクロック速度とコア数の積に比例して処理速度が向上します。Hexa-Core AMD Opteronはクロック速度が速く、コア数も多いため良い性能が得られたようです。しかもHexa-Core Opteronは価格も経済的です。2.6GHz 2CPU 12core 32GBメモリ構成でも定価で約88万円と低めに設定され、クラスタ構成で導入する場合は大きな値引きも期待できますから良い選択です。

 

Hexa-Core Opteron 2CPU 12コアでの浮動小数点演算調査
「CPU性能律速型アプリケーション」が高い性能を発揮

 

 新しく登場したHexa-Core AMD Opteron Istanbul の浮動小数点演算性能調査を行うため、SPECベンチマーク結果を引用してグラフを作成しました。

メモリ性能律速型アプリケーション

 青色のラインで表示している「メモリ性能律速型アプリケーション」は、コア数増加による性能向上が認められませんでした。これは、Hexa-Core AMD Opteron Istanbul になってもメモリシステムの性能は従来どおりの12.8GB/s/CPUに据え置かれており、メモリ律速の状況が継続しているからです。「メモリ性能律速型アプリケーション」の性能向上実現のためにはより高速なDDR3メモリの採用やメモリ接続ポート数の追加など、メモリシステムの全般の改良を行う必要があります。

CPU性能律速型アプリケーション

 赤色のラインで表記している「CPU性能律速型アプリケーション」ではHexa-Core AMD Opteronの効果が認めら、Xeon (Nahalem) と並ぶ性能を発揮するアプリケーションも現れています。目分量ですが、2.6GHzのQuad-Core Opteronと比べると40%〜50%程度の性能向上が認められます。

 このように浮動小数点演算性能に関してHexa-Core AMD Opteron(TM) Istanbul はアプリケーションで発生するメモリボトルネックの有無が選択のポイントとなります。

まとめ

 AMD Opteron(TM) Istanbul プロセッサは遺伝子解析分野では最適の計算機と考えて良いようです。さらに、MD計算や量子化学計算などの「CPU性能律速型アプリケーション」についてもお勧めできます。

 しかし、「メモリ性能律速型アプリケーション」については、Xeon (Nehalem) が登場して以後は形勢が逆転しました。Opteronのメモリシステムが高速化されるまでは厳しいです。

評価のポイント

アプリケーションを特性別に2種類に区分

 実用的な計算機評価は容易ではありません。しかし、アプリケーションのボトルネックに着目すると、複雑なCPU処理を行うアプリケーションではCPUボトルネックを起こしやすい反面メモリボトルネックを起こしにくいアプリケーションと、簡単なCPU処理を行うためCPUボトルネックは起きにくい反面メモリボトルネックを起こしやすいアプリケーションの2系統に区分することができ、計算機とアプリケーションの相互関係を整理しやすくなります。

「CPU性能律速型アプリケーション」

 gamess、gromacs、namdなどがこのタイプの計算に該当します。CPUのクロック速度向上、CPUのコア数増加などで比較的リニアに性能向上します。しかし、メモリシステムの性能向上の影響は少ないです。

 CPUのスパースカラー性能が高く、CPUの搭載コア数が多く、システムに搭載するCPU数が多く、並列計算ノード数が多いシステムである程高速です。

「メモリ性能律速型アプリケーション」

 流体計算や電磁界解析などはこのタイプの計算になります。CPU処理が単純なため、結果的にメモリI/Oが多く、メモリボトルネックが発生しやすいタイプの計算です。なり

 メモリ性能が重要です。並列処理もメモリ性能重視のシステム設計が求められます。搭載コア数の多さだけでは十分な性能が得られないからです。

 

【SPEC CPU2006の公開データを資料として引用】

SPEC, SPECint and SPECfp are resistered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. For more information on this SPEC benchmarks see www.spe.org. SPEC and the benchmark name SPEC CPU2006 are registered trademarks of the Standard Performance Evaluation Corporation. Competitive benchmark results stated above reflect results published on www.spec.org as of April 03, 2009. The comparison presented above is based on the best performing 2-cpu servers currently shipping by Intel Corporation and Dell Inc. For the latest SPEC CPU2006 benchmark results, visit http://www.spec.org/cpu2006/