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HPC計算機導入事例

ファイルサーバ導入事例 (抜粋)

Gaussian導入事例 (抜粋)

HPC-WS 4台による32コア GbE Intel-MPI並列計算機【導入事例】

はじめに

お客様は大学の研究者の方です。ご研究のテーマは「計算機シミュレーションによる蛋白質の研究」とのことでした。研究で利用されるアプリケーションは自作のプログラムだそうです。プログラムは並列化に成功されており、高い並列度での高速計算を実現されているとのことでした。

並列計算用のHPCクラスタ

お客様がご利用されていた計算機は数年前にHPCクラスタ・ベンダーから導入されたシステムとのことです。この計算機の調子が芳しくなくなってきており困られているとのことでした。並列計算では一箇所に不具合があるだけでも、計算全体が止まってしまうことが多く、システムの安定稼動は絶対条件となるからです。

マルチコア計算機の魅力

並列計算を行われる方にとって高性能なマルチコア計算機は大きな魅力を持ちます。ネットワーク並列計算ではノード数の増加は通信ペナルティーの発生に直結します。ところがマルチコア計算機では搭載コア数が増えると、ノードの数を減らせるため、通信ペナルティーを抑制することができるからです。さらに8並列 (ノードのコア数内) までの計算であればネットワークを介した通信をすることもありません。Intel-MPIなどの最適化されたMPIライブラリを用いることでよいコンディションでMPI計算を実行することができます。もちろんスイッチのコストも削減できます。また副次的なメリットとして、部品点数を削減することによる故障率の低下や、消費電力の削減、設置スペースの削減、コストの削減など、他にも多くのメリットが期待できます。

Quad-Core Xeon 8コア搭載のワークステーションのテスト導入

お客様もマルチコア計算機には大きな期待を寄せられていました。そのため、Quad-Core Xeon 2CPU 8コアが発売されると、早い段階でHPCテクノロジーズ製のHPC-ProServer DPr490というワークステーションを導入されました。この計算機の使用を通じてQuad-Core Xeonプロセッサの素性は把握されたとのことです。その性能は期待されていたレベルを満たしていたということで、ご満足されていました。但し、導入された時期が早かったため、開発環境は整備途上のものを使用されていたことになります。それでも基本性能の高さには納得されていました。

◆◇ テスト導入された計算機 ◇◆
DPr490
CPU : Quad-Core Xeon 2.66GHz 2CPU 8コア
Memory : 8GB (FD-DIMM 667MHz)
HDD : 250GB x2 (2重化)
OS : CentOS

新しいクラスタのご導入検討

お客様がご使用になられていた計算機の調子が芳しくない一方で、テスト導入されたQuad-Core Xeon 8CPU機が高い性能を発揮したことや、機械の安定性でもHPC-ProServer DPr490は快調に動作したことなどから、Quad-Core Xeonを採用した新しい計算機の導入検討を開始され、弊社にもシステム提案のチャンスを与えて頂きました。

お客様の並列計算の特徴を活かす構成

お客様のプログラムは並列効率の良いプログラムです。それを活かして可能な限り多数のコアを導入することで更なる性能向上を達成できます。お客様としてはこの実現に強いご希望をお持ちでした。なお、計算の並列度は8、16、32の単位で実行されるため計算機の構成もこれに対応させる必要があります。

既存ファイルサーバの利用

並列計算機システムを構築するには堅牢なホスト機が必要です。幸いにもお客様は、過去に導入されたデルのファイルサーバをお持ちでした。そこで、そのサーバをファイルサーバ専用にしてクラスタを接続する構成を提案しました。

開発環境の選定

マルチコア計算機でMPIプログラムを利用する際のカギとして、性能の出るMPIライブラリの実装は必須です。HPCテクノロジーズでは多くの実績を持ち、素晴らしい成果を出してきたIntel-MPIの導入をご提案しました。さらに最新版のIntel Fortran Ver.10も提案しました。今回の導入により開発環境は一新され、並列度の大きいプログラムをより高速に実行できる環境へとリフレッシュされることをお伝えしました。

HPC-ProServer DPr490を3台増設し、4node 8CPU 32コアのクラスタを提案

HPCテクノロジーズから導入していただいたワークステーションと同一構成のワークステーションを新たに3台追加していただくことで、4node 8CPU 32コアのクラスタが構成でき、これをGbEで接続し、Intel-MPIで並列計算が行える構成を提案しました。

◆◇ ご提案したクラスタシステム ◇◆

DPr490 : 4台 (1台は既存機 + 3台の新規導入)
CPU : Quad-Core Xeon 2.66GHz 2CPU 8コア
Memory : 8GB (FD-DIMM 667MHz)
HDD : 250GB x1
DVD : DVD±RW
System Interconnect : GbE
開発環境 : Intel Compiler Fortran v10
MPI実装 : Intel-MPI
OS : CentOS
Storage : DELL PowerEddge Server (既存環境)
Setup Service : オンサイトセットアップ
Support : 3年間の当日オンサイト保守サービス + HPCテクノロジーズの一次受けサービス

システムのクラスタ化はオンサイトで実施

既存のファイルサーバやワークステーションとの接続、クラスタ化の作業はオンサイト作業で行う手筈とし、お客様には負担をお掛けしないことをお伝えしました。

HPC-ProServer DPr490で構築されたHPCクラスタの豊富な導入経験を反映

弊社の導入事例を眺めていただくと、HPC-ProServer DPr490で構成されたHPCクラスタは多いです。HPCテクノロジーズではこれらのクラスタの構築を通じて多くの技術蓄積をしており、今回のシステム構築では、これまでの経験を反映させることで迅速確実なシステム構築をお約束できることをお伝えしました。

受注と製造

以上のようなご提案を行ったところ、お客様に気に入っていただくことができました。そして慎重なご検討の後、ご注文書を頂きました。受注させていただくと直ぐに部品手配を行い、機器入荷後は社内でクラスタとして完成させるなどの十分な準備を行っで納入にしたことで、オンサイトでのクラスタ化の作業も予定通り一日で完了しました。納入日の当日中にシステムを本稼動させることができました。

納入時にお客様から次のような感想を頂きました

◇ 4台のワークステーションでコンパクトながら32コアで32並列が実行できる環境は優れる
◇ 従来の37Uラックの1本分以上のコア数を保持できるようになった
◇ これまでのXeonより性能が倍近く伸び、並列計算での速度に期待している
◇ オンサイト作業ではクラスタの利用方法を操作しながら説明されたので分かりやすい
◇ 新導入のIntel-MPIとこれまでのMPICHとの利用方法の違いやコツなどのレクチャーが役立ちそう

汎用パーツで構成された計算機のメリットとデメリット

HPCテクノロジーズの計算機と汎用パーツで構成されたHPC計算機とでは、双方にメリットとデメリットがあります。その点をお客様のご理解のため少し整理してみます。

市販の汎用パーツを組み立てて作られる計算機の大きな特徴は、個々の部品メーカーとクラスタメーカーが完全に独立していることにです。この手法のメリットは、組み合わせの自由度が大きく多様な構成を幅広い価格帯で実現できることにあります。ところが、品質や保証はクラスターメーカーの責任となり、部品メーカーは表面には出てきません。具体的には、ある部品の組み合わせで問題が発生したとしても、部品レベルでの問題を特定するまでは部品メーカー側の対策は遅々として進まないことが考えられます。また、部品の細かな仕様がロットや時期で異なっていることや、担当技術者の移動、部品の製造終了なども課題です。そのため対応にも限りが出てきます。以下にその例を挙げてみます。

◇ サポート期間は1年と短期間であることが多い
◇ ハードウェア修理はセンドバックが主流
◇ 当日/翌日の迅速なオンサイト修理表明は稀
◇ 2〜3年のオンサイトサポートになるとサポート費用がどうしても高額になる傾向がある
◇ 月日が経過すると修理パーツの生産終了で対応が困難な場合も考えられる
◇ 障害箇所の診断機能が整備されていないことが多い
◇ 小ロットの特注生産では比較検証用の同一構成のセットの整備が困難
◇ そもそも障害箇所の特定が難しくことも多く修理開始に日数がかかる
◇ サーバが不安定な症状しか示さない場合は原因の特定は非常に難しい

運用をする立場で心配な点を羅列してみると背景の課題が浮かび上がってきます。汎用パーツで構成するメリットは自由度の高さですが、それを享受するためにはこれらの課題をクリアする必要があります。ユーザ側もその成り立ちを理解し、一定の負担に応じることを求められることもあります。黎明期のHPCクラスタでは、自由に汎用パーツでクラスタを構成する自由度は役立ちました。PCクラスタが隆盛してゆく際の大きな原動力として機能しました。しかし、計算機の標準的な機能が高くなってきている現在では、大手ベンダーが製造する標準的なサーバやワークステーションは、HPC用途で十分な機能を持つところまで来ました。それどころか、大手ベンダー製の普通の計算機の方がより先進的であったり堅牢であったりするようになってきています。すると、それを利用する方が合理的という判断も生まれてきます。お客様にはより良い製品をより優れたサービスでご提供できるようになるからです。

大手ベンダー製の計算機を採用

HPCテクノロジーズが採用している大手ベンダー製の計算機は徹底した品質管理が行われているため安定しています。この大手ベンダー製の計算機をインテグレーションする手法を採用したHPCテクノロジーズのHPC計算機は以下の優れた特徴を持っています。

◇ 安定したハードウェア
◇ 長期間のサポート保守
◇ 当日/翌営業日対応のオンサイト修理

お客様にこれらのご説明を行い了解していただきました。