お客様は、分子動力学計算を行っておられる研究者の方です。これまでのお客様の研究環境では、UNIX系OSで計算を行い、そこで大量に生成される計算結果データのグラフィカル表現は、便利なツールが豊富に揃っているWindows系OSで処理されていました。しかし、この使い方だと大量のデータをUNIXとWindowsの間で頻繁に往復させる煩雑さがありました。この研究環境は、様々な着想を元にスムーズに研究をすすめるにはあまり相応しくない環境であると感じておられました。
お客様がWindows CCSの導入に魅力を感じられたと思われるポイントを整理しますと以下が挙げられます。
1. 1つのOS上で計算とプリ/ポスト処理が行える
2. マルチユーザOSで、リモート接続ができる
3. 開発環境が優れている
4. Windows用のアプリケーションが問題なく使える
お客様は、「Windowsには、これらを満たす諸要素はもう備わっているので、これらを組み合わせることで実現される優れた研究環境を構築するためのパッケージ製品は、いつ発売されてもおかしくない。」と予想されておられたそうです。
そこでWindows CCS発売開始すぐに弊社にお声がけいただき、昨年末に静音HPCワークステーションDPr690 1台に新発売のWindows CCSを搭載したシステムを納入させていただきました。なおマイクロソフト社によると、このお客様が「Windows CCS 日本語版 第一号ユーザー様」であったとのことでした。
お客様はWindows CCSが搭載されたDual-Core Xeon 2CPU 4コア環境を日常的に使われてこられました。そのご使用感は、お客様が思い描かれていたイメージに近く、非常に優れた研究環境が実現できたとのことでした。
導入後の、お客様の印象は以下のようなものでした。
1. マイクロソフトのMPI ライブラリ (MS-MPI) が思ったよりもちゃんと動作した
2. Xeonプロセッサと、Intel Fortranコンパイラを組み合わせたパフォーマンスは圧倒的であった
3. 上記二つの効果が高く、MPI計算が高速に動作した
4. これまでLinux機に頼っていた計算環境をWindows機に移管できる目処がついた
5. 「リモート デスクトップ機能」は本当に便利で助かっている
6. ネットワーク設定や開発環境設定もHPCテクノロジーズがサポートでき、安心して追加導入できる
1台目のWindows CCSシステムを導入して、とても使いやすかったので、もっとWindows CCSで使えるコア数が欲しくなった。コア数が欲しいのでQuad-Core Xeon 8コアは積極的に導入したいと思っている、ということでした。
1. コア数を増やしたい
2. MPIのプログラムが高速に動作したので、コア数を増やし高速化したい
3. これまでのLinux環境から使い易いWindows環境に移行したい
4. Dual-Core Xeon 2CPU 4コア機より、同等の金額でコア数が倍増するQuad-Core 2CPU 8コア環境を導入したい
CPU : Dual-Core Xeon 3.0GHz 2CPU 4コア
メモリ : FB-DIMM 667MHz 8GB
HDD : 250GB x 2本 (システムディスク + システムバックアップ)
CPU : Quad-Core Xeon 2.66GHz 2CPU 8コア
メモリ : FB-DIMM 667MHz 16GB
HDD : 250GB x 2本 (システムディスク + システムバックアップ)
追加システムのオンサイト作業は半日で完了し、その日から運用が開始しました。Quad-Core XeonでのWindows CCS導入は弊社としても最初であったので、お客様と、その価値について話し合いました。お客様が新たに期待されているのは以下のことだそうです。
1. Quad-Core Xeon 8コアは、コア数に余裕があるので残りのコア数などを気にせず、気楽にジョブを投入でき、ストレスがなくなりそうだ。
2. Quad-Core Xeon 8コアでは、OpenMPでの8並列計算ができ、かなりの性能を期待しています。もし、使い勝手が良く、期待どうりの性能が得られるなら、MPIよりコーディングが簡単なOpenMPを使い始めたい。
お客様はQuad-Core Xeon 8コアを高く評価されていました。Linpackで46GFlopsも出ておりクラス最高の性能を持ち、8コアのSMP機なのでOpenMPによる並列処理が可能なため、新しいHPCプラットホームとしてインパクトは大きいです。これまで、自動並列コンパイラやOpenMPなどがサポートされている、ソフトウェア開発が容易で計算速度の速い計算機は高価でした。そこで、その代替機として安価なネットワーク並列計算機がもてはやされました。しかし、ネットワーク並列機は、コーディングが煩雑になる難点を持っていました。ところが、並列コーディングの難易度を大幅に下げるOpenMPがインテルコンパイラよりサポートされ、そのOpenMPに対応するQuad-Core Xeon 8コア機が廉価に登場しました。
Personal HPCはLinuxの登場により一気に広がりました。しかし、Linuxであるため、Windowsと親和性ではハードルが存在していました。Windows CCSの登場はこの親和性を劇的に向上させました。
■ マイクロソフト「Windows CCS 日本語版 第一号出荷 ユーザー様 導入レポート」へリンク