Gaussian03W (G03W) は導入が容易なため広く利用されています。しかし、大容量メモリを搭載したマルチコア計算機が普及してきた現在、64bit化されていないG03Wはこの計算機環境を利用しきれない状況となってきました。そこでこの64bitマルチコア環境を最高に活かす64bit Linuxによる並列処理計算機環境をご紹介をします。さらにWindowsやMac上で用いると便利なGaussian利用環境を実現できるGaussViewのサイトライセンスでのご導入をお勧めしています。併せてその活用法も簡単にご紹介いたします。最後にG03WとGaussian03M (G03M) の課題を整理しています。
Unix/Linux版のGaussaian03のライセンスはその多くがsource code site licenseで導入されています。このライセンスがあると、同一サイト (住所) の同一組織に設置する計算機にGaussaian03を追加でインストールする場合もインストール台数制限が無いため新たにライセンスを購入する必要がありません。お客様が所属されている部署が異なっていても大丈夫です。研究室にPGIコンパイラとLinux計算機が一式導入されていれば十分です。
Unix/Linux版のGaussaian03ではノード内での並列計算がサポートされています。そのため、主流になっているデュアルコアやクアッドコア・プロセッサの性能を活かした高速処理が可能です。
最新の計算機は32GBや64GBの大容量メモリや2TB級の高速で大容量のスクラッチディスクを廉価に搭載することが可能です。さて、Unix/Linux版のGaussain03は64bit計算をサポートしており、この大容量メモリや大容量スクラッチディスクを活かした大規模計算が可能です。また、大規模な計算は長時間計算となることが多く、計算時間短縮化のために並列処理が求められます。ところが大規模計算の並列処理では思いのほか大きなメモリを必要とする場合があります。そしてもしメモリ容量が十分でないとGaussianは勝手に並列度を落として動作してしまうことがあり、折角の多数のCPUコアの多くを遊ばせている場合もあります。64bit環境で搭載されている大容量メモリは計算規模に貢献するだけでなく、計算速度の向上に関しても貢献しています。
最新のマルチコア機は電力性能比が高く、さらにノード内並列計算はネットワーク並列計算に比べてメモリやディスクを効率良く利用します。そのため、高速処理と低消費電力を同時に実現する優れたソリューションです。もちろん省スペースでもあります。もし、多数の計算機を導入されていて、さらに計算パワーが必要なのに消費電力や空調能力の制約から計算機能増強を断念されている場合には、マルチコア計算機の導入のご検討をお願いします。
Linuxはサーバ用のOSとして設計され、リモートログインに対応しています。複数のユーザーが同時にログインし、共同利用することが可能です。そのため計算機をネットワークに接続しておくだけで各ユーザーが端末からリモートログインし、共同利用計算として利用できます。このサーバ機能はマルチコア環境では非常に重宝する機能です。マルチコア環境は是非ともLinuxでのご利用をお勧めします。なお、WindowsはLinuxと設計が異なり1人で独占して使うことに秀でたOSです。そのため、リモートログインには対応しておらず、Windows XPのリモートデスクトップ機能もメンテナンスが目的の機能です。WindowsはGaussViewなどでの利用が適しています。
大規模な64bit計算は何週間も連続動作することがあるためOSの堅牢さは大切です。Linux OSはHPC分野で広く利用されており、安定したOSです。さらに弊社では大手ベンダー製の安定した計算機をプラットホームとして採用しており、当日/翌日のオンサイト保守による迅速な復旧を実現しています。このように非常に安定した磐石の動作環境は必須です。
Gaussianを実行していると計算機のCPUリソースはほぼ100%占有されます。そのために他のアプリケーションを実行しようとしても操作が重くなっており決して使いやすくはありません。重いGaussainを動作させる計算機は専用機としての運用をお勧めします。これに対してGaussian計算のプリ/ポスト処理やレポート作成などの作業は手元の別のパソコンでの実行をお勧めします。以下に具体的な操作の流れをご紹介します。
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GaussViewをインストールしたWindowsやMac PCで分子モデルを作成
・ 入力データ (インプットファイル) をFTPなどでLinux機に転送
・ Linux機でGaussianを実行
・ Gaussianが終了し計算結果 (アウトプットファイル) が生成されるとFTPなどでファイルを取り込み
・ GaussViewなどで計算結果を可視化やグラフ化
・ WindowsやMacの豊富なオフィスソフト群を用いてグラフやレポート作成
GaussViewはGaussian用のプリ/ポストプロセッサとして非常に優れたソフトです。もし、Unix/Linux版のsource code site licenseを導入されているのでしたら、GaussViewをサイトライセンスでの導入をお勧めします。GaussViewはUnix/Linux版の他にWindows版やMac OS版があり広く使われています。お手元のWindowsやMacにインストールすると豊富なオフィスソフト群との連携して使えて便利です。GaussViewは、同一所在地の同一組織でしたら、何台にでもインストールすることができるインストール数無制限のサイトライセンスでも販売されていますので、こちらのご導入をお勧めします。
64bitマルチコアを活かして素晴らしいGaussin計算機環境を構築するには計算機のことや、OS、開発環境、各種ソフトウェアライセンスなどに関して幅広い知見が必要です。弊社にはこれらに詳しい技術営業や技術スタッフがおり、お客様のお問い合わせをお待ちしており、お客さまのサイトのGaussianのライセンス状況の調査から、ライセンスの手配、計算機のデザイン、システムの構築、オンサイトでの計算機の導入、保守サポートから運用の支援に至るまでの一貫しての作業を行うことができる国内有数の企業です。
もしお客様がGaussianの計算機の導入や更新をお考えでしたら、是非とも弊社営業まで問合せをお願いします。お客様にご納得いただけるソリューションを必ずご提供いたします。
最新の計算機は32GBや64GBの大容量メモリや2TB級の高速スクラッチディスクが廉価に搭載可能です。ところが、G03Wは32bitアプリケーションであるためこの環境を活かした大規模な計算を実行できません。具体的にはメモリアドレスに2GBの制限があり、スクラッチファイルのサイズにも16GBの制限があります。これらの容量制限があると、大規模計算を投入した場合にメモリ不足やディスク不足で計算が実行できなくなることがあります。
広く利用されているG03WはSerial versionでのご導入が多数を占めると思います。このSerial versionのG03Wはノード内の並列計算がサポートされていません。そのため、主流になっているデュアルコアやクアッドコア・プロセッサを活かして並列計算による処理速度の高速化ができません。
さらに、このSerial versionのG03Wを搭載したマルチコア機では、運用するうえでも課題があります。マルチコア機に多数の計算を投入するとスループットは向上します。しかし個々の各プロセスがメモリやディスクを同時に占有するため、全体では大きなメモリやディスク容量を必要とします。計算に必要なリソース管理を適切に行わないとスワップアウトを起こしてしまう危険もあります。
G03Wには並列計算をサポートしているmultiprocessor machine licenseも発売されています。これを導入すれば先の課題は解消しそうです。ところが並列計算を行う場合には計算規模も大きくなる傾向があります。しかしG03Wは32bitアプリケーションであるため、メモリサイズやスクラッチディスクサイズに制限があり大規模計算には適していません。さらにGaussianでは並列計算を行う場合には多くのメモリを必要とする場合があり、メモリが少ないと、計算内容によって並列度が制限されてしまうことや、計算が止まってしまう可能性もあります。これでは折角の64bitマルチコア環境の真価が活かせません。並列処理では64bit Linux環境での利用をお勧めします。
最後にMac版のG03Mを調べた結果をご報告します。現行のバイナリはPowerPC G3/G4/G5 (OS:Mac OS X) 時代にビルドされています。Mac OSのエミュレーション機能により最新のIntel Macでは実行はできるようですが、ネイティブでの最適化は考えにくいです。また、Gaussian社は公式にはPowerPC G3/G4/G5 (OS:Mac OS X) をサポートとしておりIntel プロセッサのMacOSは現在はサポートしてくれていません。また、並列計算もサポートされていませんでした。