弊社はHPC計算機のシステムインテグレーターのため化学の専門知識はありません。そのため、お客様から寄せられる「この計算機ではどの程度の計算規模まで実行可能ですか」というようなご質問にお答えすることができませんでした。そこで、最新鋭のマルチコア機を導入されたお客様に、「もしよろしければHPへの掲載を前提として、お客様が計算されている分子の名前や計算手法、計算時間などを教えていただけないでしょうか」と無理を承知でお願いしてみました。すると、すぐご快諾いただいたばかりか、詳しい解説文が添えられたメールまで頂戴しました。
45nm Xeon 2CPU 8コア、8GBメモリ、500GB XFSディスクでのGaussian 03による計算適用範囲
「単体ワークステーションにて、実験で扱うサイズの分子をモデル化することなく、リアルに扱える」
システム: HPC-ProServer DPr5400 8並列 高速計算モデル
プロセッサ: 45nm Xeon 3.16GHz FSB1333MHz 2CPU 8コア
メモリ: DDR2 667MHz FB-DIMM 8GBメモリ
スクラッチディスク: 500GBディスクx1 XFS
搭載アプリケーション: Gaussian 03
本計算機は、実際の実験で扱うサイズの分子をモデル化することなく、リアルに扱える能力がある。例えば、ポリフィリンの二量体やフラーレン金属錯体など、200原子2000基底関数系の構造最適化と振動解析をDFT法で1ヶ月程度で、TDDFT法を使った励起状態の計算を1週間程度で行うことができる。
また、post HF計算の場合、500基底からなる分子に対して、300GB程度のディスクの書き込みを伴うMP4法などによる摂動計算が可能となる。CCSD法も300基底を越えるサイズで可能である。
上記の計算での並列多重度を8にした計算では、おおよそ6コア以上の性能が出るので、ワークステーションの台数を増やして、CPUとコアの数を揃えてノード間の並列計算を行うよりも非常に効率が良い。また、性能面から見ても、台数を揃えるよりは、省スペースかつ省エネルギーである。ただし、GAMESSなどのように各プロセスでディスクIOを使う計算の場合は、あまり適した構成ではなく、ノードあたりのCPU数やコア数が少ない設定で購入することを薦める。