Gaussian 09 Rev. C.01へのリビジョンアップの勧め
Gaussian 09がRev. B.01からRev. C.01へとリビジョンアップしました。次のリリースノートに記載されているように、今回のリビジョンアップでも多くの修正と機能強化が行われています。これらの成果をご利用中の環境に反映させるためにも、Gaussian 09のリビジョンアップを早急に実施されることをお勧めします。
なお、Gaussian 09のリビジョンアップはGaussian 09のサイトライセンスが導入されている住所と組織が同じであればどなたでも実施することができます。リビジョンアップするためには『リビジョンアップCD』が必要です。リビジョンアップCDを入手するためには、お客様がGaussian 09のライセンスが適用されていることの確認が必要です。
Gaussian 09のリビジョンアップの手続きで必要となる次の項目は弊社で承っています。
・ Gaussian 09ライセンス状況の確認 (サイトライセンスの有無、導入者など)
・ Gaussian 09 C.01リビジョンアップCDの購入
・ 技術的な相談
お問い合わせは下記の連絡先にお願いします。『Gaussian 09 Rev. C.01について相談したい』とおっしゃっていただければ詳しい相談員が対応いたします。
電話: 03-6410-6070
FAX: 03-6410-6073
電子メール: support@hpc-technologies.co.jp
Gaussian 09 Rev. C.01 リリースノート (11.10.17)
C.01の変更点
- Windows版のGaussian 09が64-bitシステムに対応しました「Gaussian 09W 64-bit」。これにより、メモリー2GBの制限、およびスクラッチファイル16GBの制限が無くなります。
(なお、Gaussian 09W 64-bitについてはこの項目の下にシステム構築の立場からのノートを記載しています。参考にご一読をお願いします。)
- Gaussian 09W 64-bit並列版のコア数制限がなくなりました。
- Linux版にSSE4命令セットに対応したバージョンが新たに追加されました。これにより、SSE4に対応した新しいAMD64あるいはEM64Tのマシンで、より高速に計算できるようになりました。
- AmberのツールAntechamberの入力データを直接出力できるようになりました。
- 最適化アルゴリズムとオプションの変更
- 最適化中不良な曲率の領域からエネルギーを下げる時に含めるモードの選択方法を改良しました。これは以下のルートオプションにより制御することも可能です:
Opt=NoDownHill
エネルギーが下がる方向に行こうとしない;RFOに似たステップだけを行う。
Opt=NGoDown=m
最大m個の固有ベクトルをエネルギー低下ステップで混合する。デフォルトは3。
- 以前よりも、直線的な結合角をより確実に扱い、かつより頻繁に内部座標に含めるようにしました。これにより、直線に近い結合角がほぼ直線になる場合を含めて、多くの最適化の問題を回避します。
- QST2とQST3でのTS最適化のための内部座標を生成する際、反応物と生成物の結合情報を統合するようにしました。
- 最適化で許容されるステップ数の最大値(後のrestartも含む)を減らすことができるようになりました。これは非常に大きな系の計算に際して、メモリとディスク使用量を減らすのに有効です。
- 最適化中に分子の標準配向座標が180°反転した場合をチェックして反転を回避するようにしました。これにより、最適化やIRC等をGaussViewで動画で表示する際に急転することを回避し、またSCFの収束性を改善します。
- 内部座標生成のためのメモリ割り当てが、%Memで設定されたメモリ量に比例するようになりました。これにより、以前であれば十分なメモリ量を設定しても実行に失敗する、非常に多くの原子あるいは内部座標を扱うジョブが実行できます。
- デフォルトでは、水素結合している可能性がある場合内部座標を自動的に生成しないようにしました。結合座標は他の離れているフラグメントを接続するために加わるので、フラグメントを結合している水素結合の座標は、こちらに含まれるでしょう。
- BDの一点計算はフローズン・コアをデフォルトにし、コア軌道は相関しないもののBD Fock行列を使って更新するようにしました。以前のデフォルトでは、コア軌道はHFの値から変更せずそのままにするか、あるいはBD=Readで読み込 ませるようにしていました。新しいデフォルトでは、初期軌道の選択に依存しないエネルギーが得られます。BDの一次微分では、フローズン・コアではなく全軌道が依然として必要で、こちらがデフォルトになります。OldFCBDキーワードで、古い形式のフローズン・コアを指定できます。
- 大容量なメモリを搭載したマシンでは、完全な直接積分変換および完全な直接MP2を選択します。但し半直接アルゴリズムの方がより速いです。Default.RouteファイルにTran=SemiDirectを入れることで、MP2や高次のpost-SCF計算の積分変換も強制的に半直接アルゴリズムを採用するようになります。Default.Routeファイルでは、MP2のような方法を指定するキーワードは全て無視 されることに注意してください。そうしないと、全ての計算で同じモデルが指定されることになるためです。
- post-SCF法でOutput=WfnやOutput=WfXを使用する場合、Density=Currentと Pop=NOABをデフォルト設定にしました。この2つはpost-SCF密度を.wfn/.wfxファイルに保存するのに必要になります。これらのファ イルに出力される力の配向や、ROHF波動関数または線形従属基底関数により力を生成する際の問題も修正されています。
- 顧客の何人かが、彼らが持つシミュレーションプログラム群の入力としてCOSMORS用に作成したファイルを使用していたので、G09でその機能を復活させました。
- 2次の超分極率計算を指定するためのより記述的なオプションとして、Polar=Gammaを加えました。Polar=(DCSHG,Cubic)と同義です。
- RevTPSS交換相関汎関数を加えました。
- アクチニドに対するSDDのデフォルトをより最近の基底関数系にしました;以前のデフォルトを指定するときはOldSDDとします。
- テラバイトおよびテラワード単位でメモリやディスク容量を指定するために、TBおよびTWをそれぞれ使えるようにしています。
- SAC-CIでDirectオプションが使用可能になりました。このオプションはより大きな分子に適した直接積分アルゴリズムを指定します。
- Link0コマンドに%OldChkを加えました。%OldChkで指定したチェックポイントファイルの中身は、現在の ジョブが開始した時のチェックポイントファイルのコピーです。これにより、チェックポイントファイル上のデータを破壊すること無く以前の計算からデータを 取り出すことが可能になります。
- 第一遷移金属列用のcc-pVDZ分散関数(aug-)を追加しました。
C.01のバグフィックスおよび小さな変更
- 非常に大きなONIOM (MO:MM)とMMのみの振動計算に必要なメモリ量を減らしました。
- Amber力場でのimproper torsionの定義は、分子内の原子の順番に依存しています。典型的なタンパク質をAmberプログラムで計算すると、残基内の原子およびPDBファイ ル内の残基が標準的な順番で並んでいるため一貫性がありますが、GaussViewで一般的な分子を作成するとその結果は任意に並んだ原子の順番に依存し ます。G09では6つの取り得るAmber improper torsionの平均値を求めるように変更しました。これにより標準的なAmber力場による計算結果との差が小さくなりますが、エネルギー値が分子内の原子の置き換えに依存しなくなります。
- Pop=MKにIOp33を加えた時の出力に、RESP電荷フィッティングに必要なデータを含めるように戻しました。しかし、Pop=MKジョブにIOp(6/50=1)を設定することで、G09からAntechamber用のデータファイルを直接生成することができ、こちらの方がRESP用の入力生成方法として推奨されます。
- PCM溶媒効果を取り入れた時のCIS振動計算のバグを修正しました。
- 連続ジョブにおいて、Default.Routeファイル中のMaxDiskの設定が、最初の計算だけに適用されていたのを、全ての計算に設定されるようにしました。
- AM1のAlpBパラメーターが読み込めないバグを修正しました。
- SCVS計算の収束をより注意深くチェックするようにしました。
- Stable=OptジョブでPop=SaveBioを入れると、安定性計算を間違うか失敗していました。これが適切に動作するようになり、波動関数が安定になった後に二重直交軌道軌道を保存するようにしています。
- 対称性が有効な状態で外部に点電荷を置けるようになりました。
- フローズン・コア近似でのTD-DFTの一次微分のバグを修正しました。
- NMR遮蔽に関する出力が999原子以上でも出来るように修正しました。
- DFTBでd関数に補間(解析的でない)パラメーターを使用した時のバグを修正しました。
- 遅いファイルシステム上でまれに問題が起こる不完全な命令文を修正しました。
- Guess=Fragmentで計算した時のフラグメント内の電荷と多重度の組み合わせのいくつかで起こる問題を修正しました。
- Freq=VibRotでコリオリ項の出力を復活させました。
- 大きなユニットセルを用いたPBC計算のメモリ確保時に起こるいくつかの問題を修正しました。
- Symm=Looseによるいくつかのケースでの構造の変更具合の不一致を修正しました。
- NoSymmを指定した時のROMP4の3次のエネルギーのバグを修正しました。
- CBS外挿計算時の、脅迫的に思われるが不必要な警告を出力しないようにしました。
- ONIOM (MO:MM)ジョブでmicroiterationを行いかつ途中で計算に失敗した場合に、再計算が出来るようにしました。
- ONIOM計算でECPを読み込む場合の、複数の中心に同じECPを置いた時のバグを修正しました。
- IRCとFreqの組み合わせは、TSではなくIRC計算の最後の点で振動計算を行うことになるので、使用出来ないようにしました。
- Douglas-Kroll-Hessと物性値の、いくつかの対応していない組み合わせについて、間違った答えではなくエラーメッセージを出力するようにしました。
- 電荷を帯びた分子種にECPを用いる際の、デフォルト(Harris)のinitial guessをを生成する際のバグを修正しました。ECPを用いた時のinitial guessの質も改善しました。
- FMMや他の積分計算オプションのデフォルトのいくつかを、最新モデルのCPUでより良い性能が出るように更新しました。
- Formchkコマンドで、値が1013-1を超えた場合のformatted checkpoint fileへの出力を******ではなく-1にしました。これによりunfchkや他のユーティリティでfchkファイルを処理できるようになりました。
- ONIOMを使って数値的な振動計算を行った後にGeom=Checkを指定した時に影響するバグを修正しました。
- BDもしくはW1BDとSCRFの組み合わせは、正常に動作しませんので、ルートキーワードを生成した時点で受け付けないようにしています。
- ほとんどのプラットフォームで、ATLAS BLASライブラリの新しいバージョンを使っています。これにより、非常に大きなメモリ量を使う時に生じたいくつかの問題を解決しました。しかし、万一このタイプの問題がまだ残っていた場合は、IOp1=NoAssemをルート行に指定することでATLAS行列乗算ルーチンを使用するように変えることができます。
- SAC-CIジョブで計算した励起状態間の遷移モーメントの出力に関する不具合を修正しました。
- DFTの経験的分散力とghost atomとの組み合わせが使えるようになりました。経験的分散力とPBCの組み合わせはまだ実装されていないので、エラーメッセージが出力されます。
- ROHF/RODFTでのOpt Freq指定が、2番目のジョブで制限開殻波動関数によるFreq=Numerの計算を行うことで正常に使えるようになりました。
- 禁制遷移に対するFranck-Condon計算が正常に機能するようになりました。
- TDとdouble-hybrid DFT法の組み合わせは動作しない(以前は、double-hybridのSCF計算部分のみを元にしてTDを実行)ので、ルートキーワード生成時にはじいています。
- IRC=(RCFRC,GradientOnly)計算で、checkpoint fileのHessianを正しく用いるようになりました。
- 非常に大きな系の計算で起こる、”NIJ > Max2 in MMCore” がエラーメッセージとして出力されるメモリ確保のバグを修正しました。
- Windows版でExternalキーワードが正常に機能するようになりました。g09\tests\com\test726.gjfを使用例としてご参照ください。
- G09Wで、--Link1--の行が切り取られた時のマルチステップジョブのフロントエンド出力に関する問題を修正しました。
弊社による、Gaussian 09W 64-bit版に関するシステム構築の立場からのノート
Gaussian 09W 64-bitの製品化によってWindows環境でも本格的なGaussian計算が可能になりました。そのための実用的な環境を導入するためには幾つかの注意点があります。
Gaussian 09W 64-bitは大規模な計算ができるようになったので計算機環境の構築に注意が必要になりました。従来のように小規模な計算を行われるだけなら市販のPCでも対応できます。しかし、Gaussian 09W 64-bitは大規模な計算も可能になり、計算時間が数日から数十日に及ぶ場合もでてきます。ところが、クライアント系OSを搭載した市販のPCは様々な原因によってシステムが予期せぬリブートを起こす場合があり、途中の計算が失われかねません。大規模な計算を処理させる場合は、大規模な計算に対応できるGussian専用のチューニングを施したGaussian専用計算機の導入をお勧めします。
弊社ではライセンスに関するお問い合わせから、計算機システムの構築についてのご相談まで、幅広く対応することができます。
Gaussian 09 Rev. B.01 リリースノート (10.8.31)
B.01の変更点
- PCMを導入したMP2振動計算のバグを修正しました。
- 最新版のSAC-CIコードが導入されています。SAC-CI=(Direct,...)と指定することで、大きな系に対してより高速な計算を可能とする新しいintegral-directアルゴリズムを使用できます。
- ExtraOverlayルートキーワードがA.02では機能していませんでしたが、修正しています。
- Opt Freq TDの計算で最適化と振動計算を順に実行するようになりました。
- ユーティリティNewZMatで、入力に2次構造情報を含む場合-opdbオプションを付けて実行するとその情報を出力します。
- ユーティリティNewZMatで、2つの入力ファイルをマージすることができます。2つのテキストファイル、あるいは1つの入力と1つのチェックポイントファイルをマージすることがそれぞれ可能です。
- 大きな電荷を持つ系あるいは高スピン系で、ダミー基底関数を分子力学法と一緒に用いた場合の問題を修正しました。
- Polar=(Cubic,DCSHG)により、2次の超分曲率(gamma)を周波数依存超分曲率(betas)の数値差分により求めることができます。これら超分曲率は、標準座標系で(すなわち、betaの要素に沿ってかつ双極子モーメントに直交して)出力されます。
- 新バージョンのAIMPACで使われているWfnXファイルを、Output=WfnXで出力することができます。
- 非常に大きな(2万原子以上)MMの系に対する、特にクーロン項やvan der Waals項の範囲に制限を適用した場合での性能を向上させました。新しいルートオプションGeom=Hugeが追加され、QM計算には有用ですが膨大なMM計算の実行には不必要であり時間がかかってしまう、様々な操作を停止します。
- MaxDiskオプションがDefault.Routeファイルで指定できるようになりました。
- 新しいDFTBパラメーターファイルのデータを取り込めるようにするための、フリーフォーマット入力ルーチンを生成しました。但しこれらのファイルをG09で使用するにはまだいくつかの修正が必要です。
- TDDFTを用いてECDの全テンソル(四極子の要素を含む)を出力します。
- Hu, Lu, Wangによる電荷フィッティングモデル(JCTC 3 (2007) 1004-13)がPop=HLYで使用できます。著者は周期表の始めから18元素のモデルについて必要なパラメーターのみ決めていました。代わりのバージョンであるPop=HLYGAtでは、HLYフィッティングスキームは用いますがGaussianの標準原子密度を一緒に用いることで、周期表全体での利用を可能にしています。どちらでも求めることが可能な系で、原子電荷の差は通常1-5%の間です。
- ビリアル条件を厳密に満足させるために分子をスケーリングする、Todd KeithによるSCVS法を加えました。
- ユーザーが選択した積分範囲の指定をより一般的にするために、IOpの使用方法を更新しました。
- 不適切な曲率の領域を最小化する時の最適化のデフォルトアルゴリズムを修正しました。
- AM1とPM6のinitial guessを修正しました。
- 2次構造に関するONIOMおよびMMパラメーターのより詳細な解析を行います(デフォルトでは、2次構造情報が得られる場合1万原子未満の系)。残基の正味のMM電荷と残期間の距離を出力します。
- より多くのSMPプロセッサーを用いる計算、およびSCF振動計算を含む様々な計算性能を改良しました。
Gaussian 09 Rev. A.02 リリースノート
A.02の変更点
- 構造最適化中において、ヘシアン行列で大きな負の値を持つ固有値の扱いを改良しました。
- DFTの計算を「Int=DKHSO」の指定で行った場合に、自動的に実行されるDFTと通常のSCFの連携は機能しませんので、初期段階で拒否するようにしました。
- ONIOMの入力で、2価のリンク原子をチェックするようにしました。これらの原子の位置が、距離のスケール因子を1にしないと間違って定義されてしまいますが、このスケール因子を強制的に1にすると計算モデルは通常質が悪くなってしまいます。このような入力は通常エラーになりますので、リンク101で拒否するようにしました。キーワード「IOp(1/132)」を使用してこの入力を強制的に受けさせることもできますが、あまりお奨めできません。
- Semi-direct積分交換法がデフォルトになりました。このコードは、Full-directやin-coreアルゴリズムよりも並列化における効率が高くなり、単独のプロセッサーでも、他のアルゴリズムより効率よく計算できます。
- 入力ファイルにPDBの二次構造情報が含まれている際に、キーワード「ONIOM=InputFiles」が失敗するバグを修正しました。
Gaussian 09 Rev. A.01 リリースノート
Gaussian 09の使用法の留意点
- CIS振動数をHerzberg-TellerあるいはFranck-Condon-Herzberg-Teller解析で使用する場合、CIS振動計算を数値的に行う必要があります(FreqではなくFreq=Numer)。これは、解析的な力の定数計算では遷移双極子微分が計算されないからです。これに対応する解析の基底状態でのHF振動計算でも遷移双極子微分が必要となりますが、この場合通常は解析的に計算が行われます。
- PCM溶媒中でのCISおよびCASSCF振動数も同様に、Freq=Numerを用いて数値的に行う必要があります。
- FMM法を基にしたlinear scalingアルゴリズムが、Linda並列化されました。今後は、大きな分子をLinda並列計算する際にNoFMMを指定する必要が無くなり、プログラムにより選択されるデフォルトのアルゴリズムで、より高速に実行することができます。
- Opt=GDIISキーワードはまだ使用できますが、廃止予定となっています。新しくデフォルトとされた最適化アルゴリズム(Opt=GEDIIS)の方が、いくつかのケースでG03のデフォルト(Opt=RFO)よりも有効であったGDIISよりも優れています。
- 大きな分子をDFTで最適化する際に多くのとても低い振動数のモードが現れる場合、より大きなDFTグリッドを指定(Int=UltraFine)すると計算がより確実に進行します。
- Pure DFT関数を使用する場合、Default.Routeファイルのrouteセクション(-#-行)にDenFitキーワードを追加する事により、密度フィッティング法をジョブのデフォルトとすることができます。フィッティングは、数百原子まで(基底セットに依存)の系では正確にクーロン項を計算するより速いです。しかし、かなり大きな系ではlinear scaling法を用いた正確なクーロン計算より遅くなります。このクーロン項計算は自動的にオンになります。
- デフォルトのIRCアルゴリズムが変更になりました。詳しくは、ユーザーズガイドをお読みください。デフォルトでは、反応経路上の各点のエネルギーと反応座標だけが出力されます。もしも反応経路に沿った構造パラメーターが必要な場合は、Geom=ModRedundantキーワードを利用して冗長内部座標を設定するか、IRC(Report=Read)によりIRC計算に対して指定します。
Gaussian 09 使用法と、
デフォルト設定のGaussian 09の変更点
- 多くの変更がPCMアルゴリズムに対して行われています:
- デフォルトの表面積分は、新しく連続ポテンシャルエネルギー面を与えます。全ての新しい計算において、このアルゴリズムの使用を強く推奨します。routeオプションのSCRF=G03Defaultsにより、ほとんどのデフォルト値をG03の物と同じにできますが、以前G03でなされた計算との比較のみにご使用ください。
- デフォルトのIEFPCM溶媒和法あるいはSCRF=CPCMを使用する場合、Gaussian 03では溶媒和エネルギーへの非静電項の寄与を計算し出力していましたが、これらをエネルギーに取り込んでいませんでした。同様に、構造最適化や振動計算などで使用するエネルギーにも取り込んでいませんでした。Gaussian 09ではデフォルトでは、これらの値をいっさい計算しないようにしました。
- 新しいSMD溶媒和モデルを、非静電溶媒和項の溶媒和エネルギーの絶対値や他の性質を計算する際に推奨します。
- SCRF=SMDを指定すると、SMD非静電項が基本的なエネルギー("SCF Done"行のSCFエネルギーや関連するエネルギーなど)、構造最適化および振動計算に取り込まれます。非静電ネルギーは、個別にも出力されます。
- 溶媒和エネルギーの絶対値は、気相で系の構造最適化と振動計算を行ってから、同じ計算をSCRF=SMDあるいはSCRF=(SMD,Solvent=...)を指定して行ってください。
- PCM入力のSCFVacオプションは削除されました。もしも事前に気相エネルギーが必要な場合は、溶媒和計算の前に別のジョブとして気相計算を行ってください。
- MPとCC計算では、部分変換(Tran=IABC)がデフォルトとなりました。この手法は多くの系で速く、特に複数のプロセッサーを使用した場合に効果的です。全軌道変換は、Tran=Fullで指示できます。
- 1点計算を含む全ての計算において、デフォルトのSCFの収束判定値は電子密度で108となっています。
- デフォルトで使用される物理定数は、2006 CODATAテーブルの物を使用しています。Gaussian 03で使用していた物はConstants=1998で使用できます。
- AM1, PM3そしてPM3MMではデフォルトで、新しい半経験的手法のコードを使用します。これは、厳密な解析的1次および2次微分を行いますが、若干異なった全エネルギーを与えます。それは、重なり積分をSlater関数ではなく6-Gaussian展開によって求めているからです。AM1=OldあるいはUse=L402を指示すれば古いMOPAC 6のコードが使用され、それぞれ従来のリンクあるいはlink402が使用されます。
- Stable=Optでは、最初のSCFでは通常の(L502)SCF計算が行われますが、それ以降はSCF=QCのSCF計算が行われます。
Gaussian 09 ソースコードからのビルド
- Gaussian 09をLindaとビルドするには、Lindaバージョン8.2が必要です。古いバージョンのLindaでは、実行プログラムを構築できません。
- Intel Macでビルドする場合、大小文字を区別するcase-sensitiveなファイルシステムが必要です。ia32バージョンをビルドするには、
bsd/bldg09 all mac32
としてください。ビルドスクリプト中にはx86とx86-64マシンを区別する機能は無く、デフォルトではx86-64向けにビルドされます。
Gaussian 09 User's Reference正誤表
- 以下がリンクのリストから漏れています(38-39ページ):
- L117 Performs IPCM calculations.
- L610 Numerical integration (for testing integral codes).
- 以下のリンクがリストに含まれていますが、Gaussian 09には含まれていません:
- L909, L921, L922
- ノーマルモード出力の選択に関して107と289ページにthreshキーワードが議論されていますが、Gaussian 09では使用できません。
- 166ページのOpt=DiagFullへの参照は、Freq=DiagFullの間違いです。
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【出典】
このページに掲載している文章と図版は「コンフレックス株式会社 (CONFLEX Corporation)」のホームページに掲載されているものを、コンフレックス株式会社の許可を得た上で、全面的に引用させていただき作成しました。
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